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茶寮「一松」で描かれる、江戸時代の男女の恋物語。舞台『宮城野』公開直前レポート!

2018/07/11

 

7月14日より公開される武田優子・田中惇之主演の舞台『宮城野』。今回は公開を間近に控えた稽古場に潜入させていただきました。今回は、稽古場レポートとインタビューの模様をお届けします。

 

 

この日稽古が行なわれたのは、本番の会場となる茶寮「一松」。一松は、昭和27年に和食店として創業され、以来浅草の地で三代続いています。門を映えると石畳と日本庭園が広がっており、その奥には伝統技法で建てられた日本家屋が佇んでいる。

 

今回「一松」で上演されることとなったきっかけは、ずばり主演を務める武田さんが「一松」の女将さんにアプローチしたからなのだそう。

「一松さんとの出会いは、知り合いに連れていっていただいたのがきっかけでした。初めて来たときから、すばらしい空間で、ここにいること自体に価値があるような…そんな印象を受けました。それで、そんな空間で「お芝居をしてみたい!」と思って、女将さんにお願いして、実現となったのです。」(武田さん)

 

そんな特殊な会場での舞台の演出を務めるのは、田丸一宏さんだ。

「これまで駐車場やレストラン、倉庫、古民家など、いろいろなところでやっていますが、料亭での舞台は初めてです。料亭というだけで空間として成立しているので、なるべく無駄なものは使わず、奇抜なことは考えず、余計なことはしないように仕上げていきたいと思っています。素敵な場所で繰り広げられる2人の芝居をお楽しみください!」と料亭で演じる意気込みを語ってくれた。

 

 

そんな一松の家屋の中に入ると一番大きな2階の「松」の部屋に、舞台『宮城野』の世界が広がっていた。『宮城野』は、1966年に劇作家・矢代静一によって初演された作品で、これまで多くの俳優によって演じられてきた戯曲。絵師・東洲斎写楽の弟子である矢太郎と、女郎宮城野による男女の物語である。

 

 

また、今回の舞台、お箏とベースの生演奏を楽しむことができるのも魅力的。音楽監督を務める後藤浩明さんにお話をお伺いすると次のように話してくれた。

「伝統と格式のある一松さんで、このような企画に参加できることを嬉しく思います。箏はコンサートホールではなく、和室で奏でられるのが、本来の姿ですが、コントラバスが畳の上で演奏されることは滅多にありません。西洋と東洋の楽器という意味で、あまり例のない取り合わせですが、どちらも木製のボディを持つ弦楽器であり、音を出してみると想定した以上の馴染みの良さを感じました。即興的なアプローチも含めたお二人の演奏で、『宮城野』の作品の本質に迫りたいです。あっ、あとベースのエンドピンで畳を傷つけないよう気をつけます。」

 

本番を前に、宮城野役を務める武田さんと、太郎役を務める田中さんにお話をお伺いすることができた。

 

 

――今回の役どころについて教えてください。

武田さん:今回演じるのはもぐりの女郎、宮城野役を務めます。実はこの役、以前一度演じたことがあるのですが、宮城野の持つ「自己犠牲」だったり、その奥に秘められた強さをまだつかみ切れていないところもあって、またやりたいなって思ったんですよね。今の時代にはいないような、憧れの女性像ですね。

 

田中さん:僕が務める矢太郎は、男の弱さの化身のような男ですね。未来を見据えてはいるのですが、そこから一歩踏み出すことができなくて、絵の勉強をしてはいるが、自分の思うような活躍の仕方はしていなくて、女郎である宮城野のとの関係性に甘んじている…。情けなくもあり、ほっとけないような、誰にでも当てはまりそうな男性像を持った役です。

 

 

――お互いの印象についてお聞かせください。

 

武田さん:田中くんは、ちょっといかれていて、パワーのある方ですね。ちょっと毒とか色気がありつつ、誠実さもあり、まさに今回の矢太郎にピッタリなんじゃないかと思っています。決して共倒れしない役者さんなので、今回2人でガチンコ勝負できるのは、とてもうれしいです。

 

田中さん:去年の夏に初めて共演させて頂いたのですが「バケモノのような女優がいる」と思いました(笑)。もしも女だったら、こんな女優さんになりたいと思えるような、人間としても、役者としても尊敬できる方ですね。いつかまた共演できたらなって思っていたので、このような形で共演できて嬉しいです。

 

 

――ここまで稽古をしてきての手ごたえはいかがですか?

武田さん:手ごたえは、本番になるまで、まだわかりませんが、矢太郎、そして田中くんとの信頼感は生まれていると思っていますね。

 

田中さん:武田さんは、とても気遣いをなさる方で、役や作品に敬意を持って取り組んでいるというのがひしひしと伝わります。積極的にコミュニケーションを取り、役だけでなく人間としての距離感を縮めてくださるおかげで、宮城野という一人の女性に甘えてしまう矢太郎像へのヒントを得られた気がします。

 

――今回の会場が浅草とのことですが、お二人はこれまでに浅草と関わりはあったのですか?

武田さん:実は浅草には、もう10年以上住んでいるんです。だから、馴染みのある、この地で目標だったプロデュース公演を打てるのは嬉しいですね。

 

田中さん:稽古もほとんど浅草で行なわれているのですが、どのお店もあたたかく迎え入れてくれて、稽古後は酔い夜を過ごさせて頂いてます(笑)。浅草という街と、1日のうち、こんなに長い時間付き合うのは初めてですが「江戸っ子」と呼ばれる方々のあたたかさに支えられているなぁと感じています。

 

――武田さんは、今回の公演のプロデュースも務めたとのことですが、今後もなにか浅草に仕掛けていきたいことはございますか?

 

武田さん:演劇といえば、下北沢・中野辺りを思い浮かべる方って多いと思うのですが、そこに浅草が食い込んでいけたらなと思います。だから、翻訳劇とか古典とか、浅草という街に合う良い作品をやっていきたいですね。

 

 

 

――最後にお二人にお伺いしますが、ずばり見どころはどういったところでしょう?


武田さん:50年前に書かれ、今もなお上演され続けている作品そのものですかね。あとは、一松さんというすてきな会場、お箏とベースの生演奏、照明、衣装、演出…この作品のために、すばらしい空間を作ってくださいました。ぜひその一つひとつを見ていただきたいと思っています。また、当日はお酒の販売も考えていますので、ぜひお酒をたしなみながら、とある男女のお話を覗いていただければと思います。

 

田中さん:武田さんもおっしゃるように、作品そのものが長く演劇界で愛され続ける作品なんです。そんな名作に、さまざまなアプローチで臨んでいると思います。このメンバーでなければ辿り着けなかったと胸を張って皆様にお届けできるので、ぜひ楽しんでほしいですね。

 

武田さん、田中さんありがとうございました!

 

舞台宮城野は7月14日~16日に茶寮「一松」で上演。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

 

 

【舞台情報】
『宮城野』
■日程:2018.07.14(土)~07.16(祝)
■開場:浅草 茶寮「一松」
http://www.ichimatsu.co.jp/map/
■チケット予約はこちら
https://www.quartet-online.net/ticket/jzkn6rz?m=0igcfda

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この記事を書いた人

ゆめかわファンタジスタ ありちゃん

ゆめかわファンタジスタのありちゃんこと於ありさです♪ライターとして、主に働くと好きを発信中。自分の文章を読んで、キラキラで楽しい世界への扉を開けてくれる人が増えたらいいなと思っています☆ 好きなものは、いちごとイケメンとアイドルと舞台とうさぎのキャラクターとサッカー!(多趣味!)どうぞよろしくね♪