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【今年で開催10回目】古きと新しきが交差。ものづくりの魅力を知る「モノマチ」に参加してみた!

2018/06/03

どうも、ふつかよいのタカハシと申す。

最近は、まだ6月だというのにとにかく暑い。暑すぎる。猛暑だ。
タカハシは暑さにとにかく弱い。溶けちまうぜ!!!!

ぶつくさいいながらもバリバリの日差しの中街を歩いていたら、
ヘソ出しギャルとアロハシャツのメンズだらけでどことなくリゾートを彷彿とさせられ、今すぐ羽田空港へ直行したくなった今日この頃。海は広いな大きいな〜♪

...このままでは現実世界に戻ってこれそうにないので気合いで浅草に足を運ぶ。
なぜか。「モノマチ」というなかなかにイケてるイベントが開催されているという情報を聞きつけたからである。...ってモノマチとはなんぞや〜〜〜!!!!?

◾️「モノマチ」ってな〜に?

5/25〜27に渡って開催された「モノマチ」。公式HPによると、以下がモノマチの概要である。

2011年から始まった「モノマチ」は、古くから製造/卸の集積地としての歴史をもつ台東区南部・徒蔵(カチクラ)エリア(御徒町~蔵前~浅草橋にかけての2km四方の地域)を歩きながら、「街」と「ものづくり」の魅力に触れていただく3日間のイベントです。例年多数のモノづくり系企業やショップ、職人、クリエイター、飲食店等が参加し、多くの来場者のみなさまにお楽しみいただいています。
出展:http://origin.monomachi.com/about/ 

なるほど、要は「ものづくりの歴史が根付いている地を周遊、その魅力に触れて楽しもう!!!」というイベントって訳だ。
今年は10回目の開催となる。これは楽しみすぎやしないか?!?

どんな人や、モノが待っているのだろう。レッツ!!!ASAKUSA〜〜〜!!!!


◾️「第10回モノマチ」実行委員長にインタビュー



街に繰り出す前に、まずは「第10回モノマチ」実行委員長・田中一博さん(望月印刷株式会社・以下田中さん)にインタビューを敢行。
委員長!モノマチの色々、教えて〜!!!!

ー「モノマチ」が始まったきっかけは何だったのでしょうか。

田中さん:元々は「台東デザイナーズビレッジ」が母体で、入居者達が手がけたブランドやデザインを外部に発信する、いわば「作品発表」のような機会をつくりたかったそうです。その周辺でものづくりをしている企業様に声をかけ、一緒にイベントをつくっていくことになったのが始まりですね。
当時は、「町おこし」というような大々的なものではなく、参加店舗・企業様も17社くらいでした。

ーほほー!それが今年は過去最大規模の175店舗出店だとか。田中さんが「モノマチ」に関わっていくことを決めた理由は何ですか。


田中さん:第4回モノマチ開催時にボランティアとして参加したことですね。ずっと「何か面白いことをやりたい」という想いがあった中、協力者を募っていることを知り、参加を決めました。
その後、モノマチの印刷物の仕事を受けることで、運営の人たちとの繋がりが生まれました。
第8回モノマチでは実行委員という形で運営に関わりました。そこからさらに深い関わりが生まれましたね。

ーモノマチに関わる中で、徒蔵エリアの人々との繋がりが広がってきたんですね。「モノマチ」を通して嬉しかったことはありますか。

田中さん:僕は、浅草橋に30年間仕事で通ってはいますが、住んでいたことは一度もないんです。当然周りの人々との関わりや接点も全くなくて。
最近はその壁を一つ乗り越えたと思えるようになり、嬉しいですね。モノマチに関わっていく中で、コミュニティの一員として認識してもらえたのだなあと。
最近は、モノマチだけでなく「おかず横丁」で開催されているイベントにも携わっています。

ーちなみに、「モノマチ」の見所はどこにあるのでしょうか。

田中さん:今回は、「運営側がイベントを大々的に盛り上げる」というよりは、「普段、参加店舗・企業様がやっている仕事を、来場するお客様に3日間きちんと見てもらう」というのを意識しています。それが、モノマチの本質でもあると思うので。
また、ものづくりにおいて「職人」の存在が思い浮かべられがちですが、企画・デザイン・営業・問屋・流通...全て含めて「ものづくり」をメインテーマにしています。
職人がものをつくっている「現場」だけでなく、企画〜製品が出来上がるまでの「過程」を見ていただくツアーを企画したのもそれが理由です。

ーものづくりといえば「職人さん」にフォーカスされがちですもんね。

田中さん:また、アトリエ兼ショップという形で食べていくための「請負仕事」を続ける傍、自身のプロダクトを作っている方々も大勢います。本人たちはしがらみがあって言えないことも多いですが、そういう背景も皆さんにわかっていただきたいですね。

ー出店者はどういう形で集めていますか?

田中さん:ほぼ、口コミです。ごく稀に協会の事務局宛にメールをいただきますが、その際は面接をして双方が納得したら迎え入れています。年齢は20代後半〜75才まで幅広いですね。

ー来年の「モノマチ」はどうなるのでしょうか。

田中さん:来年は実行委員長が変わるのですが、できれば若い方にお任せしたいですね。どういうイベントになるか、現時点では全くわからないので楽しみです。
今年の路線を継承していただいても良いですし、がらっと変えていただいてもいい。サポートすることはいくらでもできるので、自由にやって欲しいなと思います。

ー参加者の方にメッセージをお願いします。


田中さん:モノマチの期間中は、普段一般のお客様を受け入れていない企業様も出店されているので、是非色々なエリアを歩いて回って、それぞれ1軒でも多くのお気に入りの店舗・企業様を見つけていただきたいです。
「去年はこのエリアが面白かったから、また近くのお店に行ってみよう」というように、点が線になるような楽しみ方をしていただけたら嬉しいですね。

ーありがとうございました!!!


◾️COREZO!ASAKUSA編集部、カキモリに繰り出すの巻。

田中さんからモノマチの歴史や想いを聞いたところで、士気が上がったCOREZO編集部。
いざ、モノマチへ出陣!ものづくり体験だ!!!

▲途中良さげな酒屋を見つけ、早速1杯引っかけたくなるも、我慢我慢...


じゃじゃーん!!!こちらのスタイリッシュなお店が「カキモリ」である。
自身で組み合わせたオーダーノートやオーダーインクを作れる同店、「モノマチ」では毎年大人気(byCOREZO!ASAKUSAデザイナー・くらはしりょうさん)なのだそうだ。

今回は、そんな同店でモノマチ限定コラボイベントが開催!

店員さんに概要を伺ってみると、「ノートの表紙に、世界に1つしかない自分だけのオリジナルネーム・箔押しverを入れられる」というもので、「カキモリでノートづくり→大栄活字社で活字を拾う→田中箔押所で名入れをする」という段取りで行われるとのこと。

訪れた日はモノマチ初日ということもあり、比較的空いており大チャンス!
COREZO!ASAKUSA編集部も早速イベント参加だ。

カキモリでノート作りから、レッツトライ!


①まずはサイズ選び!

B5サイズ(大学ノートサイズ)またはB6サイズ(B5サイズの半分)から
選択できるが、COREZO!編集部はB6サイズをチョイス。
小さいサイズのノートって、可愛いよね。(誰)

②表表紙、裏表紙を選ぶ。

無地、季節の柄物、革素材、コットン素材まで...その数なんと60種類以上というから驚きだ!!優柔不断な人であれば1日かかってしまうと言っても過言ではないかもしれない。まじで。
時間に余裕を持って訪れるのがオススメだ。
ちなみに、「即断・即決」の編集長、ピンクのコットン素材を表表紙に、無地を裏表紙に速攻決定。は、はえぇ...!!!選ぶ手さばきもこなれているっ...!!!

③中紙を選ぶ。
質感や色味、罫線や方眼まで様々な中紙は、30種類以上。
「フールス紙」(一般的なノートに使われているもの)、「バンクペーパー」(にじみが少ないもの)、「コミック紙」(柔らかい素材で、鉛筆での使用がオススメ)等から2〜4パックほど選ぶことができる。

てか、まじかよーーーー!!!表表紙・裏表紙で60種類以上あったのに、こっちも30種類以上か〜い!!!(卒倒)

もはや色々見すぎて目が回り始めたタカハシであったが、自分だけの1冊を選び、完成させる作業というのは何と楽しいものだろう。(※めっさ笑顔)

④リングの色、留め具を選ぶ

リングの色は「金・銀・銅・黒・白」から、書く時にリングが当たりづらい上下留め、または全部留めが選べる。
何か見た目かっこいいよね!!ということで(※何事においても見た目は大切である)
COREZO編集部はシルバーをチョイス。

留め具は「ゴム留め・封緘留め・ボタン留め(ペンさしあり)・ボタン留め(ペンさしなし)」から選べるが、COREZO編集部はシンプルな「ボタン留め(ペン差しなし)」をチョイス。タカハシは、ノートを留める時の「パチンっ!」て音、好きだ。DJだけに。
え?違うって?だまらっしゃい。

⑤いざ、製本!
ここまで選び終えたら、いざ製本していただこう!!
店内のレジ横にあるオープンスペースで、全て手作業による製本過程が見れるのも楽しみの一つだ。
製本機やプレス機など、普段お目にかかる機会がない機械(韻踏んじゃったよ...)にも要注目だ。


ちなみに、ここまでぱぱっと15分程度で決めた編集長...さすが...決断力の鬼...!!!


<カキモリ詳細情報>
住所:東京都台東区三筋1-6-2
電話番号:050-1744-8546
営業時間:〔平日〕12:00〜19:00 〔土日祝〕11:00〜19:00
定休日:月曜日

◾️「大栄活字社」→「田中箔押所」へ移動

その後は、活版印刷の「大栄活字社」へGOGO!


見よ、このたくさんの活字の数...心が踊らないだろうか...?!
どっしり重いブック型のケースには、活字だけでなく、作り手の想いも詰まっているのだ。
(韻踏んじゃったよ...2)

こちらで選んだ活字を、印刷機にかけて仕上げていく。

パソコンで打ち込んだものとは全く異なる、重厚感と凄みすら感じる活字。
その印刷方法は、まさに、何十年も続けたからこそ成し遂げられる、プロの技だ。



最後は田中箔押所へ移動。
金や銀など色箔つきの文字・絵柄を入れる印刷加工技術"箔押し"を行っており、創業は100年近くになる。


こちらの箔押し機に、先ほど「大栄活字社」で選んだ活版をオーダーネームの通りにセット。


箔を熱した金属の金型(かながた)でノートに転写すると完成だ。


▲せっかくなので、スタンプラリー用のパスポート手帳にも箔押しをしていただいたタカハシ。



▲オレンジのカラーが可愛い!


▲完成!!!見よ、編集長のこの嬉しそうな表情。

まとめ

長く、長く続いてきた「ものづくり」の歴史。

「ものづくり」=「職人」と思われがちだがそれだけではなく、ものができるまでの過程全てに携わる人々も含めて「ものづくり」である、という視点は非常に新しく、仕事においてもそれは同じことが言えるのではないかと感じた。

ライターであれば、取材に協力してくださる店舗の人々、編集部のメンバー、全ての方々の協力があってこそ記事ができる。逆に、それらの人々がいなければ、記事は世に出ない。

また、人生においてもそれは同様で、人は1人では生きてゆけない。支えてくれる、全ての人々によって成り立っている。

「ものづくり」から自身の「人生」まで振り返った、非常に思い出に残る日になった。

読者諸氏も、自身の目の前にある「もの」に想いを馳せてほしい。
そこには、様々な人々の関わりや、伝統、綿々と続くストーリーが広がっているからだ。

そして、来年も開催されるであろう「モノマチ」に、是非足を運んでみてほしい。
古き良き伝統と、新しいモノたちが交差する空間で、きっとあなたも新たな発見ができるはずだ。

Original

この記事を書いた人

ふつかよいの タカハシです。

ふつかよいのタカハシです。三度の飯より酒を愛しています。
イッセイミヤケの販売員を経てアパレルメーカーの営業職に転職、その後フリーライターに。
COREZO!ASAKUSAを通し、ディープな浅草の魅力を発信していければと思います。
Twitter:f_y_takahashi