多くの観光客で賑わう大通りから1本裏手に入ると、静かな住宅街のなかにひっそりと佇む「Radoor」。
ヨーロピアンテイストの雰囲気が漂うお店の外には、彩り豊かなグリーンが色を添える。「一体どんなお店だろう?」と思い入り口から中をチラッとのぞいてみると…
ん? お花屋さん? 吸い込まれるように中に入っていく…。
壁紙のブルーが幻想的でめちゃくちゃおしゃれ! しかも、生けてあるお花がカラフルでどれもかわいい。
別世界に入り込んでしまったかのような、幻想的な空間が広がる店内には、アンティーク調のインテリアが飾られ、
見上げると天井にはさまざまな植物がおしゃれに吊るされている。気になってさらにお店の奥へ進んで行くと…
エステ用のベッド? え? ここは一体何屋さんなの!?
気になるー!!!!
というわけで、こちらのお店を切り盛りする、エステティシャンの吉野奈緒子さん(写真左)と、フラワーコーディネーターの岩間麻里さん(写真右)さんに色々お話を伺ってみることにしました。
ノリと勢いでスタートした「Radoor」
ーーすごく素敵な雰囲気につられて入ってしまったのですが、1つのお店に花屋さん、エステルーム、ネイルブースが併設されていますよね。こちらは一体、何屋さんなんですか?
吉野さん:ネイル、まつげエクステ、エステといったビューティサロンとフラワーショップが併設した、大人の隠れ家ショップです。2018年4月22日にオープンしたばかりなんですよ。よく近隣の方からも「何屋さんなの?」って聞かれます(笑)。
ーーカフェや洋服屋さんの中に、お花屋さんがあるのは原宿辺りでもよく見かけますが、ビューティーサロンと花屋が複合したショップってなかなかないですよね。
吉野さん:確かに「お花屋さん×カフェ」「お花屋さん×洋服」の組み合わせは多いですよね。私たちがあえてビューティーサロンにこだわったのは、お花屋さんと一緒にすることで、視覚的に『きれい』を楽しむことができるんじゃないかな、と思ったからなんです。
「いつか、お花屋さんとビューティーサロンが一緒になったお店をやりたいね〜」って話していたのがちょうど1年前くらいかな。
岩間さん:もう1年かぁ。あっという間だね。
ーー吉野さんと岩間さんはもともとお知り合いだったんですか?
吉野さん:いえ、ここで働いているネイリスト(青木瞳さん)を介して知り合いました。私がブライダルを担当したネイリストの結婚パーティーで、会場のフラワーアレンジメントを担当したのが麻里さんだったんです。
会場に飾られていたお花がどれも素敵で。私も岩間さんも職種は違えどいつかは自分で独立しようと考えていし、すぐに意気投合しました。
美意識高い人が通う空間が生むシナジー効果
岩間さん:吉野さんと出会った当時、独立を視野に入れて物件も探してはいたんですが、なかなかなくて。
ーーと言いますと?
岩間さん:花屋さんって、畳8畳くらいのスペースがあれば営業できるんです。ただ、希望に沿う物件が見つからなくて。カフェと一緒に営業するという選択肢も考えてはみたものの、食事をした後にお花を買う人って意外と少ないんです。
ーー確かに。テーブルや店内に飾られたお花を見て「きれいだなぁ」とは思いますが、買って帰るというアクションには移らないかも。
岩間さん:一概には言えませんが、「花もきれいで雰囲気もいいね」で満たされてしまうから、購入にはつながりにくいんです。
吉野さん:エステに通う人は美意識も高いしお花を買う余裕もある。エステを受けに来た人が帰りにお花を、逆にお花を買うつもりで来た人がエステを…という具合に、お客様にプラスαの喜びを提供できるというか、相乗効果が生まれるのではないかなと思ったんです。
ーーそれでビューティーサロンとお花屋さんのコラボレーションが実現したということですね。
点と点が線になる
ーー女性同士、知り合い同士で意見が食い違ったり対立してしまうことってないんですか?
岩間さん:ないですね。
吉野さん:ドラマの見過ぎです(笑)
岩間さん:みんな個性が強い。これだけは言えます(笑)。「もっとこうしたらどうかな?」と意見を言い合うことはあっても、喧嘩になることはまずありません。意見交換と言っても、あくまでもお客様が主体。お店を居心地の良い場所にして、お客様により気持ちよく過ごしていただくために必要なことなので。
吉野さん:そうですね。3人ともそれぞれキャリアが10年以上と長く、ひとり1人自分の仕事にプライドを持っている分、「こうした方が良い」という意見が出てくるのは当然のことですからね。
ーー目指すベクトルが同じだと。
岩間さん:そうなんです。これまで自分が培ってきた経験やスキルが、エステやネイルと掛け合わせることでひとつになるというか。エステのことをお客様に聞かれたとしても、奈緒ちゃんに聞けば大丈夫」という安心感の方が大きいかもしれませんね。
近隣住民を巻き込めるのは浅草ならでは
吉野さん:安心感といえば、下町ならではの近隣住民の方の温かさに支えられています。内装準備を手伝ってくれたり、「頑張れよ!続けるんだぞ!」って激励してくれたり。
岩間さん:人と人との繋がりの深さも、私たちが浅草を「Radoor」の場所として選んだ理由のひとつでもあります。
ーー近隣住民との関係がうまくいかなかったり、町の雰囲気に馴染めなかったりで、看板を下ろすお店も多いと聞きます。
吉野さん:お店の外でビラ配りをして強引なアプローチをしなくても、近くに住むお客様が宣伝してくださるんです。昔から住んでいる人が多い地域だからこそ、より深い付き合いや交流の機会を持てるんです。
岩間さん:地域住民の方々とのお付き合いも大切にしながら、1人でも多くの女性が「きれい」を楽しめる場所であり続けたいと思います。
【詳細】
・Radoor(http://radoor.tokyo/)
(Instagram:@radoor_asakusa)
住所: 〒111-0033 東京都台東区花川戸2丁目8−7
ROSADA:03-5811-1821
営業時間:9:30~18:00
anvers:03-5811-1820
営業時間:9:30~18:00
この記事を書いた人
渡辺 結
紙媒体の編集を経て、フリーのライターに。インフルエンサーでもなければ才能でもないですが、コツコツと地道に書いてます。来年以降は海外に移住する予定。