search

それぞれの音はつながる。 「和太皷 TAWOO(タヲ)」がつくるもの【前編】

2018/05/06

突然ですが、みなさん和太皷を打ったことはありますか?

お祭りや学校の行事などで和太皷を演奏する姿を見たことはあるけれど、実際にバチを握って和太皷を打ったことないなぁって人は少なくないはず。

 

 

ちなみに、この記事を書いている私もありませんでしたが、なんとこの度和太皷を体験させていただけるということで、浅草とつながりの深い「和太鼓 TAWOO(タヲ)」の太皷道場に行ってきました!

 

TAWOO(タヲ)は、太皷の経験や年齢、性別、国を超え「太皷道場」「演奏」「ワークショップ」「子供向けプログラム」の4つの活動を通じて、たくさんの人が太皷と出会う機会を生み出している和太皷集団です。普段はあっけらかんと優しい方々なのですが、一度バチを握ればキリッとした熱い姿にきっと惚れてしまうでしょう。

 

 

 

始まりはいつだって突然に。

中央に写るのが淺野さん。

 

TAWOO(タヲ)を始めたのは、「和太皷バンドGOCOO(ゴクウ)」を率いる淺野香(あさのかおり)さん。 太皷を通して自分にできることをするという強い想いのもと、従来の和太皷の型を超え国内外へのツアー、映画の楽曲制作になどさまざまな音楽シーンで活躍。また、ひとがそれぞれ持っている「音」や「輝き」を引き出すために、一緒に太皷を打ち、触れあうことができるようにと、誰もが太皷に出逢うことのできる場として「TAWOO-タヲ-太皷道場」、「TAWOO-タヲ-太皷倶楽部」をプロデュースしています。

 

これだけ聞くと、淺野さんにもともと音楽のセンスがあったからでしょう?そう思うかもしれません。しかしながら、和太皷に出会うまで音楽の経験はなく、むしろ音楽なんて一生やらない!と思っていたのだそう。

 

使いこまれた和太皷にはタヲの軌跡が詰まっています

 

そんな淺野さんが和太皷に出会ったのはおよそ30年ほど前。その場所は「浅草」でした。和太皷の経験があるドラマーの友人(のちの師匠)が「人生最後は太皷で締めくくりたい。そのために弟子を取ろう」。と思い、声をかけた一人が淺野さん。

最初はお茶を濁して帰ろうと思っていたそうですが、声がかかって集まったのは3人。逃げるにも逃げれなかったと笑いながら当時を振り返ります。

引き返すことができなくなった淺野さんでしたが、「少し和太皷を打ってみろ」と言われ、初めてバチを持ち和太皷の目の前に立った瞬間にあるはずもない記憶が蘇る不思議な感覚におそわれます。気づけば自然に和太皷を叩き、「太皷を通じて自分のできることをして生きていこう」。と決意するまでに。その日一日で淺野さんの人生は大きく動き出しました。

 

 

自分とみんなと音でつながる。

 

さて、そんな淺野さんがプロデュースするTAWOO(タヲ)の太皷道場へとやってきた私。

この日は5月20日に開かれるTAWOO(タヲ)一年の集大成イベントへ向け、まだ入会して間もない初心者チーム「ルーキーズ」がメインの練習。といっても和太皷未経験の私からすればたとえ初心者であれ誰もがプロに見えます。ピタリと揃った和太皷の音に「本当にここにきてよかったのか…。」と不安と緊張は大きくなるばかり。

 

しかし、そんなことはどこ吹く風と、ベテランメンバーの方から「じゃあ早速、リズムに合わせて打ってみましょう」と一言。「いや、無理でしょ!」と思いながら、見よう見まねでしばらくエア太鼓をしていると、「大丈夫ですよ。やってみましょう!」と楽しそうに和太皷を打つベテランメンバーのやさしい手ほどきを受け、ついにバチを和太皷にあてることを決意。おそるおそるではありましたが、一度打ちはじめると周りの音に誘われ、次へ次へとバチを握る手が動きます。

 

体験終盤の私です。

 

上手い下手でいえば当然下手くそでしたが、回数を重ねるごとにひとつひとつ音が出せることが楽しめるように。気づけば不安と緊張はどこかに消えていました。

 

きっとそれは、TAWOOのメンバーの方々のあたたかさがあったからこそ。素直に和太皷を楽しんでほしいという想いとメンバーそれぞれが真剣に楽しく和太皷を打つ姿に「私も一緒にこの瞬間を楽しみたい」と思うようになっていました。

 

練習の終盤は、参加メンバーでその日取り組んだフレーズを通し演奏。クライマックスに近づくに従ってテンションも熱気も最高潮に!思わず身体が浮き立ち、バチを握る手にも力が入ります。

最後はメンバーの方々のやりきった姿と年齢や性別、国を超えてつながれる和太皷のパワーに圧倒されました。

 

「教わった通りにただ打つだけではない、自分そして太鼓から伝わってくる思いを乗せて打つことで、自分では気づくことができなかった自分が見えてくる」。体験前に淺野さんが話してくれたこの言葉の意味が、体験を通じてほんの少し理解できた気がします。

 

貴重な体験をさせていただいたTAWOO(タヲ)のみなさんありがとうございました!!

 

 

音にそれぞれの想いを乗せて。

 

 

そして来たる5月20日。

TAWOO(タヲ)一年の集大成となるイベント「タヲリズム」が開催されます。

 

今年で8回目となるタヲリズム。

「太皷を打つ自分たちの想いだけではなく、そこに足を運んでくれた人の想いものせて、精一杯の想いを込めて音の柱を立てる。その柱は自分たちが世にいなくなっても続いていくと思うから」。と、始まりの地である浅草への特別な思いを明かしてくれました。

きっと、一年で一番熱い日となる「タヲリズム」へあなたの想いをこれからも続く音の柱に託しにきませんか。

 

太皷人の祭り タヲリズム2018

2018年5月20日(日)@浅草公会堂 (MAPURL:https://asakusa-koukaidou.net/home/access.html)

ロビー タヲマーケット開場 : 12:30  ホール開場 : 13:30

★GOCOO LIVE★

開演 : 14:00 終演 : 14:40(予定)

★タヲリズム★

開演 : 15:00 終演 : 19:30(予定)

前売券/当日券 : ¥2,000

*当日券は会場受付で承ります。

*小学生以下無料になります。

*午前11時過ぎより 入場整理券を配布致します。

 

Original

この記事を書いた人

カタヤマ ハルカ

好きなものは、旅と写真とコーヒーとあんこ。
人知れずふらりと行く浅草の新しい発見と出会いを、COREZO!ASAKUSAから発信していきます。