「朝しっかり顔を洗ったのに、お昼には顔がテカってしまう...」
普段からあまりスキンケアを行わない男性の多くが、テカりによる肌トラブルに悩んでいます。テカってしまうと顔を触るとべたつき、その油が周りのものについたり、周りから不潔に見られたりします。
それではなぜ肌はテカってしまうのでしょうか?そこには男性ならではの特徴があります。この記事では以下の項目について紹介していきます。
- 男性特有のテカり肌になる3つの原因
- テカり肌の解決方法
- テカり肌の改善にはスキンケアがベストな理由
- スキンケア用品を選ぶさいのポイント
男性の肌がテカってしまう大きな3つの原因
男性の半数以上が年間を通じて肌のテカりを気にしています。さらに夏場になると、テカりを気にする男性は7割以上に増えます。
これはポーラ化成工業が2009年に発表した、20~50代の男性45人を対象にした意識調査でわかったことです。この調査では、洗顔後約4時間後から肌のテカりが大幅に増加するという事実も発覚しました。
このように多くの男性を悩ませるテカりについて、何が原因なのかを詳しく解説します。
1.ストレスによるホルモンバランスによる影響
皮脂の分泌量は、ホルモンによって制御されています。
■男性ホルモン:皮脂分泌を促す
■女性ホルモン:皮脂分泌を制御する
男性は思春期の時期から男性ホルモンが活発になります。20~30代で最も多い量の皮脂が分泌され、中年以降もそれは続きます。
元々男性ホルモンが多い体質の男性は、日頃のストレスによってホルモンバランスが乱れると、さらに多くの男性ホルモンが分泌される可能性があります。これも過剰なテカりの原因となっているでしょう。
責任のある立場になることが多い40代以降の男性が、皮脂やテカりに悩んでいるのはストレスによるホルモンバランスの乱れが影響しているかもしれません。
また睡眠不足も自律神経を乱し、男性ホルモンが優位となる一因になるので、日頃から十分な質のよい睡眠をとるように意識しましょう。
2.偏った食生活も肌のテカりの原因に
毎日栄養バランスのとれた食事を摂ることができればいいのですが、忙しく毎日を過ごしていると、そうも言っていられません。気がついたら外食やインスタント食品ばかり食べる日々が続いていた、ということはありませんか。
栄養バランスの悪い食生活を送っていると、それは肌環境にも影響を及ぼします。
ビタミン類は美しい肌を保つ役割をしていることは、よくご存じかと思います。その中でも肌のテカりに影響するのは、ビタミンB2とB6と言われています。
■ビタミンB2
脂質の代謝を促し、適正な皮脂の分泌を保つ働きがあります。ビタミンB2が不足すると皮脂分泌のバランスが失われ、テカりを感じるようになります。
■ビタミンB6
興奮した神経の抑制をしてストレスの緩和を促します。ストレスはホルモンバランスの乱れから肌がテカる原因となるので、ビタミンB6不足はテカりの原因につながると考えられるでしょう。
最近特にテカりを感じてきた、という場合には食生活が影響しているということもあるので意識してみましょう。
3.皮脂のとりすぎは、かえって逆効果
肌のテカりを抑えるために、洗浄力の高い洗顔料を使ったり脂取り紙を日頃から使っていませんか?肌にとって皮脂は、とても重要な役割を担っているのです。
■肌から水分を蒸発することを防ぐ蓋の役割:肌の潤いを守り、美しく柔らかい肌を保ちます
■外部刺激から肌を守る役割:角質層が過剰に剥がれたり、傷がつくのを防ぎ、肌荒れを予防します
■皮脂に含まれる成分が肌の常在菌に分解されることによって、肌を弱酸性に保つ役割:雑菌が繁殖しにくい肌を作り、ニキビなどを予防します
肌に必要な成分だからこそ皮脂を落としすぎてしまうと、肌は皮脂が足りていない状態だと察知して、さらに皮脂を分泌するようになります。
このようにして皮脂をとりすぎてしまうと、悪循環に陥ってしまいます。肌にとって余計な皮脂だけを落とすことのできる洗顔料を使ったり、テカりが気になる場合はティッシュで軽く抑える、などのようにして対処していきましょう。
皮脂と上手に付き合っていくことが、肌トラブルを解決するための第一歩です。
男性の肌のテカりを防止する2つの方法
男性の肌がテカりやすい原因は、体の内側からの影響が大きいことがわかりました。テカりが気になるからといって、取りすぎるのも逆効果。
では一体どのようにしたらテカりを防止できるのでしょうか?
1.皮膚科での治療
皮膚科によっては専門的なマシンを使用した治療を受けることができます。
■ビタミンCイオン導入
ビタミンCには皮脂の分泌を抑える効果があると言われています。イオン導入とはビタミンC(L-アスコルビン酸)をはじめとした成分を肌に塗り、そこに微弱の電流を流し、肌の内部に浸透しやすい状態にすることです。
皮脂線の制御や、ニキビの治療に効果があると言われています。
■カーボンピーリング
特殊なカーボンローションを肌に塗布してレーザーや光(IPL)を照射することで、毛穴の奥の細胞に熱を与えて再生修復機能を促します。毛穴に詰まった皮脂や老廃物、古い角質を取り除き、毛穴を引き締めます。
そうすることによって皮脂の分泌が抑えられる効果が期待できます。
■フォトダイナミックセラピー(PDT)
これは光線力学療法といい、皮脂腺を破壊する働きがあります。光を照射する4時間前にアミノレブリン酸(ALA)という天然のアミノ酸を内服し、肌の表面から光を当てて皮脂線の組織を選択的に破壊するというものです。
PDTの光はレーザーではなく青色の可視光線なので、肌に強い刺激もありません。また内服するALAも天然のアミノ酸になるので、比較的安全性の高い治療と言えるでしょう。
このように皮膚科でできる治療法は多くあります。
しかし基本的には保険適用外のため、治療費が高額となります。また効果を得られるまでに複数回通院しなければならないということも、覚えておきましょう。
2.生活習慣の改善
皮脂分泌はホルモンによって制御されているので、規則正しい生活習慣を送ることても改善につながります。
■ストレス
ストレスは血管の収縮、ホルモンバランスの乱れ、免疫力の低下などで肌全体の機能を低下させます。ストレスを感じたら溜めないように運動をするなどで発散して、溜めないようにしましょう。
■食生活
食生活が乱れると肌に必要なビタミン類が不足しがちになり、様々な肌トラブルが出てきます。
野菜を多めに摂るなど、ちょっとしたことでも構いませんので意識してみてください。また野菜を先に食べるなど、順番に気を遣うのも効果的です。
■睡眠
不規則な就寝時間は生体リズムが崩れ、免疫力の低下や自律神経の乱れにつながります。そうなると男性ホルモンの分泌が促進され、皮脂が過剰に分泌されてしまうことに。
さらには代謝力が低下し、ターンオーバーのサイクルが長期化してしまいます。ホルモンバランスは体内時計に影響されるので、毎日できる限り決まった時間に就寝するようにしましょう。
規則正しい生活を、と言われても習慣を変えることはとても難しいことです。できることから無理のない程度に実践していきましょう!
男性のテカり防止にはスキンケア用品がおススメな理由
過剰な皮脂分泌を抑えるための治療法をいくつかご紹介してきましたが、一番のおススメはスキンケア用品でケアをしていくこと。皮脂の分泌は常に行われているものなので、毎日の丁寧なケアが大切です。
またスキンケアをしている男性は、していない男性と比べて皮脂量が少なく水分蒸散量も少ないというデータがあります。(※ポーラ化成工業調べ)
これは肌のベタつきが感じられるからといってスキンケア(洗顔を除く)を行わないと、肌のバリア機能が低下し、肌環境の悪化につながるためと考えられています。
そのほかにも男性のテカり防止にスキンケア用品をおススメしている理由には、このような事情があります。
ホルモンを調整する薬は、ハードルが高い
皮脂分泌の量が男性ホルモンに影響されているということであれば、単純に男性ホルモンを抑える薬を飲めば解決するのではないか?と思われるかもしれません。
しかし体内のホルモンを調整する薬を服薬して効果を出そうとすると、自分のホルモン量を知る必要があり、医師の処方箋が必要となります。さらによほどのことでない限り、テカりが原因で処方されることも中々ありません。
また健康状態によっては服薬を止めなければなりません。仮に服薬したとしても副作用があったりするので、ハードルが高い方法といえるでしょう。
健康状態に左右されず、いつでもケアできる
スキンケア用品を使ったケアは、健康状態に左右されることなく毎日行うことができます。皮脂は常に分泌されているものです。毎日継続して行えるケアが理想的です。
また肌の状態によって、使うスキンケア用品を選べることもメリットの一つです。前途の通り、スキンケアをしている男性は皮脂量が少なく水分蒸散量も少ないというデータもあります。
「継続は力なり」という格言に習い、日頃の丁寧なスキンケアを心がけましょう。
男性のテカり防止化粧品を選ぶさいに着目すべきポイント
スキンケア用品は毎日使うものですから、自分の肌に合うものを選びましょう。テカりが気になる男性が化粧品を選ぶときは、下記のポイントに注目してみてください。
ビタミンC誘導体を含む化粧品で、効果的に肌に届ける
ビタミンCが肌の皮脂分泌量を抑え、テカりに効果があることは前述の通りです。しかし実はビタミンCは成分自体がとても脆く、不安定なため化粧品に配合をしても効果が発揮されにくいという欠点がありました。
その欠点を改善したものがビタミンC誘導体です。ビタミンCの作用を損なわないように、人工的に成分の安定化をさせ、より肌に浸透しやすく改良をしていることが特徴です。
ビタミンC誘導体が配合されている化粧品があったら、過剰な皮脂をコントロールするためにも積極的に取り入れてみてください。
テカり肌でも保湿は必要。でも油分は控えめでOK!
肌がテカっているからといって、肌が潤っているとは限りません。水分保持量が少ない傾向にある男性肌は、たっぷりと水分を肌に与えてあげましょう。
そこで「テカり肌だから油分は足りている」と思い、乳液を使わない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
洗顔直後の肌の皮脂は、そこまで多くありません。乳液を使わないと肌からどんどん水分が蒸散し、乾燥していると察知した肌はより皮脂を分泌するようになります。それを防ぐためにも、さらりとしたテクスチャーの乳液を使うようにしましょう。
まとめ
男性肌のテカりについてのまとめ
- 男性の肌がテカってしまう原因:
ストレス、偏った食生活、皮脂の取り過ぎ
- テカりの解決方法:
皮膚科での治療、生活習慣の改善
- テカり改善にはスキンケア用品がおススメな理由:
ホルモン調整薬は難しい、健康状態に左右されない
- スキンケア用品を選ぶポイント:
ビタミンC誘導体含有、保湿は重要
肌のテカりの原因である皮脂の分泌量は日々の生活習慣によるものだということがよくわかったと思います。つまりどんなにいい治療を受けても、生活が改善されない限りは治ることはないということです。
日々のケアに心がけスキンケアを習慣化させていきましょう